今年の買い出しで目についたのは「ヴァルドローム」社の布でした。
ソレイヤード、レゾリバッド、レザンディアンヌ・ド・ニームに並ぶ
プロヴァンスプリントの伝統あるブランドです。
3社と同じく
わたしが廻るような町の布屋さんに
ヴァルドロームの布が並ぶ事はありませんでした。
自社の販売ルートを持っていたはずです。
布の端っこには、しばしばメーカーの名前がプリントされています。
確認してみると、
valdôromeというプリントの横に
「par ***(by***)」と別の会社の名前が。
どうやら
テキスタイル大手の傘下に入ったようです。
テロが続き、観光客が減少するフランス。
どの町も、以前の人混みはどこへやら。
いきつけのベトナミアンレストランの店主は
経済危機も加速している、と憂かない表情でした。
ソレイヤード made in Japan が存在することは以前お話しましたが、
布業界も、生き残りの為の多種多様な選択を迫られているのでしょうか。
ヴァルドローム社は、数年前に一度ユニクロとコラボしました。
南仏でしか出会う機会のなかった柄に、
思いがけず福岡の天神で会えてワクワクしたものです。
購入したワンピースについていた
プロヴァンスイエローのタグには
こんな説明が書かれていました。
18世紀にプロヴァンスの小さな町でスタートしたファブリック
ブランド、ヴァルドローム。大航海時代にインドやアジアから
もたらされた生地が発展した「プロヴァンスプリント」の技術と
柄を受け継ぎ、進歩させながら、現在も伝統を守り続けています。
(商品タグより一部引用)
現在まであるメーカーの、どこにでも言える事だと思います。
どこが作ろうと、スピリッツだけはいつまでも引き継がれてほしいと
切に願う一日本人でありました。