コトリフルリ
 
 
小柄虫編。
マンガっぽいもの、リアルなもの、果ては虫に見えないものまで。
フランスの布はほとんどが約150cmのダブル幅。
その布の野原をこの虫たちが整列して飛んでいます。
      
 
小柄植物編。ラベンダーや露草、種類不明のお花やハーブ。
フランスの人たちの、個々の植物に対する愛情を感じます。
  
 
 
 
超スーブニール柄。150センチ幅の両裾に
南仏の有名3観光地が繰り返しプリントされています。
布屋のお姉さんは「これが好き?」 と意外な表情。
考えてみれば熱海と皇居と日南海岸の繰り返し?
 
 アビニョン 
              サントロペ
              ニース          
 
 
もともと四角くつかうようにプリントされた布です。
もちろんカットせずにクロスとしてそのまま使ってもキレイです。
   
 
絵本のようなリボンやテープを探すのも楽しみです。
   
 
パリでは、ジャガード織やゴブラン織にもついつい目が....。
                          パリの商店街。   
     
 
スキーは楽し。
   
 
            ちょっとノーブルなてんとう虫。
 
ビンテージやデッドストックのボタン。パリや南仏のマルシェで探します。
 
    
  エリックさんのボタンは何気ないけれど、古いボタンならではの落ち着いた色。
                  
         ボタンの話を始めたら止まらないマダムが選ぶボタンは、やっぱりフェミニン。
 
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ちょっとだけ布紹介
布にまつわる話をちょっとずつ。
(一部過去より継続しております。)
2010/09/06
フェルトやリボンを加えて絵を描くように。
 
 
  フランスの
花火を見ると
少し
悲しくなります。
                
   奥さ〜ん
飛んでますよ〜
 
2010/10/04
お花とイチゴと鴨という
大胆な組み合わせの布を
南仏の市場で発見
 
 
       
 
           
 
2011/02/05
 
 
モチーフを彫刻のように浮き上がらせるキルトの手法「ブティ」。
プロヴァンス地方の博物館でも、しばしば古いブティを目にします。
わたしもお気に入りのモチーフを無性に膨らませたくなりました。
(ブティの作り方ではありません)
 
 
モチーフを縫い付けて。膨らませて。
 
何年も前にパリで買った動物柄の布、復活。  
 
                
 
 
 
2011/06/20
 
今年見つけてきた柄です。
楽しげなアルルの民族衣装のみなさん。
黄色ベースもあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
下の写真は、プロヴァンスプリントのメーカー Les indiennes de Nimes のもの。
今までは、ブランドのブティック「Mistral」で
「素敵だけど手が出ない」と、眺めるだけだったオリジナルの生地。
それが今年は一般の布屋さんに並んでいました。
ライセンスものでもコピー商品でもなく、
 業界の「諸事情」のおかげで、たまたま今回買えたようです。
 
 
 
手前の二柄は「カマルグの十字架」。
ブランド名に入っているNimesニームの町は、
アルルと同じラングドック・ルション地方。
この十字架もポピュラーです。
(詳しい説明は、ちょっと遠くて申し訳ありませんが、
 この布紹介ページの一番下、最初まで下って頂くとご覧になれます。)
 
 
 
 
       布の端のメーカー名のプリントも何だかカッコいい。
 
       柄も気になります。
      「このモチーフは何?」と質問しましたが、
      「全っ然わからん aucune idée!」と
       予想通り布屋のおやじさんは即答。
       宗教的な石碑のような気もします。
       (後日、アブやハエのような小虫と判明。どこからどう見たら....)
 
 
 
          遠目には渋い柄も..   ..もしかして糸杉? 
 
こじつけだったらごめんなさい。
 
 
 
2011/08/26
どなたかがツイッターで
「コトリフルリのバッグを色落ちに怯えながら洗った」
とつぶやいておられました。
色の濃い布にはどうしてもそういう危険がつきまといます。
濃い色と薄い色が、濡れたままで放置されているその時間が危険。
昨日、傘を忘れて濡れて帰った結果、
教科書通り、医者の不養生とでも申しましょうか、
自分のバッグに移染(色移り)が発生してしまいました。
同じ生地の中で、黒い染料が白い部分に染み出た状態です。
せっかくの機会ですので、そのときの対処法を。
 
*ヤケドなさらぬようご注意を!
沸騰したお湯を器に入れ、洗濯用の中性洗剤をやや多めに溶かします。
(汚れかたによって加減)
 
 
 
 
 
洗濯したいものを浸したら、
 
 
 
 
グルグルグルグルかき回す!
(熱湯だから、菜箸などでひっかけて回して下さいね。
まさかの素手ではアッチッチですよ。)
 
 
 
 
 
時々方向をかえつつ100回ほど回しました。
染料が出てきました。
 
 
 
 
 
洗剤を捨てて
泡が出なくなるまで流水で押し洗い。
軽く脱水して、形を整えて干して終了。
 
 
 
Before                                        After
   
.....どういうことだ。わからんじゃないか。
でもキレイに落ちています。本当です。(Bは右半分が薄黒いでしょ...)
ただ、この高温処理は、生地にはあまり良くないと思われます。
頻繁にはなさらない方が良いでしょう。
(この方法は、以前アパレルの会社にいた頃に知ったものです。個人的に
失敗したことはまだありませんが、ネットで調べると、この方法で
必ず取れるという訳ではないようです。)
それから、コトリフルリの革の部分はほとんどの場合外せます。
お洗濯の時は外してから洗ってください。
 
2011/09/25
 
約24cm角の小さいクッションをつくりました。
小さいことに意味はありませんが
よく顔に型を付けてしまう自分的には居眠り用。
お部屋のアクセントにどうぞ。
 
               
 
 
 
ご好評頂いているオレンジのセミと
スモーキーブルーの組み合わせ。
裏はブルー1色です。
                
 
 
 
 
 
プロヴァンスプリントのメーカー
les indiennes de Nimesの
「これは日本には無いよね」と誰もが認めるレアな柄。
牛、馬、牛、馬...。そしてカマルグの十字架。
 
2012/03/22
 
最近、無地の帆布と並行して
ヒッコリーストライプを使っています。
 
   
 
 
イメージは何となく
南仏のこんな牛追いのおじさんたち。
でもパリで
ベレー帽をかぶってバゲットを持ったパリジャンがいないように
南仏でも
普段プロヴァンスプリントのシャツを着ているのは
ブティックかおみやげ屋のおじさんぐらいです。
 
「フレンチリネン」と言われるぐらい
どちらかと言えばデニムよりリネンのほうが仏のイメージ。
確かに市場でもリネンは目にしますが、
デニムは見た事がないような気がします。
でも南仏の町「ニーム」は「デニム発祥の地」という噂が。
度々ご紹介している プロヴァンスプリントのメーカー「Les indiennes de Nimes」。
レ・ザンディエンヌ・ドゥ・ニームの「ニーム」は、南仏でも綿産業が盛んだった町。
「デニム」はこの「ドゥ・ニーム」de Nimes(英訳するとfrom Nimes) が
英語読みされて変化したものと聞きました。アビニョンの仏語の学校の授業で。
当時同じクラスだった疑り深い、あ、いや簡単にはウンと言わない
ヨーロッパ系の生徒たちも「ほーっ」と納得していたのでいわんや従順なジャポネーズ。あれから十数年、習った仏語より鮮明に覚えています。
 
今まで素材として使っていたリネンはそういえば女性的。
に対してデニムは男性的。
「カワイすぎる」と使った事がない方のお手元にも届きますように。
            
 
 
2012/07/18
以前書いた記事ですが、「どこに書いてあるの〜」と迷われませんよう、
もう1度、まとめさせていただきました。
 
*布の特徴
南仏の布は、複数のモチーフが一枚の布に帯状にプリントされています。
ひとつひとつのモチーフが綺麗に見える出来上がりを考えて、
大柄を無惨に断ち切ることなくハサミを入れるよう努めています。
布の効率も俄然落ちますが、これが「ひとつひとつ作ること」の醍醐味だと思って。
 
 
 
 
 
 
 
布のどこを使うかは、
作るモノによっても違います。
 
 
 
   
縫うこと以上に熱が入る、柄合わせの作業
 
もうひとつの特徴は、「親子布」。
 
 
 
わたしが勝手にそう呼んでいるのですが、上の写真のように、
帯状の複数のモチーフを含んだ布(親)と
その親布の一部のモチーフだけでプリントされた布(子)が
存在するのです。
「子布」は「親布」によっては何人?もいて、
組み合わせのバリエーションを無限に増やしてくれます。
当然統一感はあるけれど、全く同じ布ではないという。
昔々作った服で恐縮ですが、上半身とエプロンは「子」、
下半身のギャザースカート部分は「親」で作ったワンピースです。
そもそもプロヴァンスの布自体が、
「組み合わせる楽しさ」ありきで作られているような気もします。 
 
 
 

*カマルグの十字架柄

 「牛?!そしてこの不思議なマークは?」と、
気になった方もいらっしゃるでしょう。
これは「カマルグの十字架」なのだそうです。
 アルルから南へ下った海辺の地域がカマルグ地方。
塩田や牛馬の牧畜などで有名な湿地帯です。
見てのとおり「十字架」「錨」「ハート」が
組み合わされた形で、「信仰、錨、心臓、隣人愛、希望」を
表しているのだとか(ごめんなさい。cœurとcharitéを教義的にどう訳すのかが不確かです)。
十字架の先端の三つ又の熊手が表すのは「牛馬の番人」。そして錨で表現される「漁師」。
 カマルグ地方の 2つの要素を結びつけるシンボルマークでもあるようです。
 
南仏は闘牛も盛んな地方なので、「牛柄」に関しては
以前から見たことはありましたが、この十字架は初めて
知りました。南仏ならではの布の柄です。
(saintes maries 教会の入り口を飾る十字架)

 


仏のおみやげで
もらった事ありませんか?
カマルグの塩田の塩。
ラベル中央にもカマルグの十字架。 
2012/10/30

送った布が全部届いて
布の棚の整理も終了。
やっとお仕事開始です。
1年で一番キレイなこの状態(これでも)、
いつまでもキープできますように。

無理。




戦後から数十年続いた店を閉めた
avignonの布屋「HELLO」さん。
去年は市場で在庫整理をしておられましたが、
今年はとうとう市場からも消えていました。
もう完全に隠居生活に入られたようです。
そんなこんなで頼りにしているのは
去年開拓した可愛いマダムの小さい布屋さん。
よそではあまり見ない在庫をお持ち。
このオリーブの布は、もう最後の1.5m。間に合った...!





マダムの布をよそで見ないのは、
お店の規模に合わせて小さいメーカーと取引しているからとか。
でも上の写真のオリーブの布のメーカーも既に廃業。
帰国後
布の端に印刷された会社名を見て、
思わず昔の布のサンプルをひっくり返しました。
それは、10年ほど前に人気のあった
こちらのオリーブ柄の布のメーカー。
この会社がもう閉鎖なんて、
個人的に非常に残念。



今年も数カ所で見つけた
「牛&馬&三つ又の熊手」のカマルグ柄。
この布のアトリエも後継者がなく終了。市場の布屋さんも
そのストック整理に協力しているんだとか。
わたしとしてはちょっと切ない話です。

そしてやはりあちこちで
crise 不況とか恐慌とかいう言葉が聞かれました。
そもそも les indiennes de Nimesの布(下の写真)を
去年から一般の布屋さんで買えるようになったのも
似たような理由から。


プロヴァンスプリントの大御所「ソレイヤード」社も
今では
ライセンス契約によって日本でもプリントされ
日本の布屋さんにごくごく普通に並ぶ商品になりました。

フランスの布にかかる消費税は約20%。
大手輸入会社相手の見本市ならともかく、
わたしのような個人単位で
町の人と同じ値段で布を買い集めるのは
商売としては厳しい。仕事としてはキビシスギル。


しかしソレイヤードが福岡という地方都市で当たり前に手に入り
一方現地では布屋さんが店を閉め、
メーカーが廃業していく今
このアナログな生業が
大変な的外れなだけに、大変面白くも思えて来ました。


どなたが、どんなチームが、
布の柄を起こし色をのせておられるのかは分かりませんが、
お伝えしたいです。
メルシーボクと。
2013/05/26
柄を選び色を合わせミシンを走らせ
時々わたしは
バッグとかポーチとかいう名前は
考えないで作っていることに気が付きます。
ただのきれいな色の3Dを組み立てています。
 
布は、ここまで出来上がっていてもまだ「材料」で
いつも使命が与えられるのを待っています。
なので「名前」をつけてあげるのだけれど、
名前がつくと、当然のことながら
その名前が持っている使命も背負うことになります。
そしてひとの生活に入ると、
便利であるとか実用的であるということが喜ばれます。
すると
だれかの心や生活に沿い、道具として、
ささやかなりとも日々を豊かにするという使命も生まれてきます。
 
ひょっこり現れた日本人に地中海あたりで見初められ
極東の島国の南の端まで連れてこられた布たち。
自分が色柄を合わせているなんて、とんだ勘違いで、ただ
布が布を呼んでいるだけかもしれません。
時にはそんな布の声だけに耳をすまして
「アンタたちは、きれいなだけでいいんだからサ」と
使命をはずして甘やかしてあげたくもなります。
名前のかたちをした
ただの布の立体として。
 
 
 
 
2013/08/27

本棚柄のジャガード織りです。

ネットで出した地図を握りしめ
南仏の町のローカルバスに乗り
「どこに布屋さんが?」と
目を白黒させるようなバス停で
下りた甲斐がありました。









      
             ひとつのモチーフがとても長い。



    
本棚カットは気が咎めたので、巻いたり折ったり。
会期中の仕事用に作った自分のポシェットもウナギのようになりました。

リアルなのは柄のみならず
織り込まれている本自体が、実在の小説だったり小説家だったりすることを発見しました。
背表紙が読めないぐらいの幅の織りなのに
ある棚は教科書、またある棚は料理本、旅行ガイド、e.t.c.....
本好きの方は拡大して
読めそうで読めないはがゆい思いをお楽しみ下さい。

          
世界の名作           化学とか哲学とか...               LLOYD某氏のシリーズ


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2013/09/24
 
 
パリで見つけたタッセルは、2色使い。
 beige+bleu      green+pink  
 
 
 
 
リバーシブルバッグのアクセント。
 
 
 こわきに抱える小さいバッグのアクセント。
 
2014/07/16



革のバッグを縫って感じたことがあります。
「重い」ということです。
質量としての重さだけではなく
生きていた動物の重さを感じます。
もちろん布の原料の植物にも命はありますが、
針が材料を抜ける時の、
布とは違う抵抗感がそう思わせるのかもしれません。
ありがとう。牛。









今年見つけたles indiennes de Nimes の布は
ちょっとサイケデリック。tissus2011 Kotori Fleuri_files/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E9%9D%A9%E3%83%8F%E3%82%99%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%99-2.jpgtissus2011 Kotori Fleuri_files/%E9%9D%A9%E3%83%9B%E3%82%9A%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88-4.jpgtissus2011 Kotori Fleuri_files/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E9%9D%A9%E3%83%8F%E3%82%99%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%99-2_1.jpg
2014/08/19
 
 
 
  
わたしはちょっと
くたびれていますが
布たちは
こんなに
元気です。
明日から
お楽しみ頂けますように。
 
2014/10/13
 
 
les indiennes de Nîmes 社のプロヴァンスプリントが
スパンコールの光に馴染むのは
南仏の鮮やかな自然の色と
高いところから矢のような早さと強さで降ってくる太陽の光を
よく知っているからかもしれません。
人工的な光沢というよりも、
自然の中の光を連想して見て頂けたらと思います。
 
 
 
 
 背景に使ったこの布は、
日本の布屋さんでもしばしばコーナー展開されているソレイヤード社の布です。
布屋さんでles indiennes de Nimes の布に混じって棚に入っていました。
布の端には、ソレイヤード社がhabitat(フランスのインテリアショップ)のために
作ったことが書かれていましたが、現ソレイヤード社を立ち上げたcharles DEMERY氏の名前がプリントされていて、黄門様の印籠を拝んだような気持ちになりました。
 
 
2014/11/06
 
 スパンコール付きの
リバーシブルバッグ。
裏はリネンです。
革の持ち手は
外せます。      
 
 
       
 
革の巾着バッグは3色。
*販売済みのものもあります。ご了承下さい。
 
 
11/19
 
フランスの蚤の市でよく見かける古いスタンプ。
1960年代に、教材として使われていたようです。
これは「LES METIERS(仕事)」の6個セット。
バイオリニスト・木こり・漁師(渡し船?)etc...
でも、もともと5個しか入っていませんでした。
 
今頃フランスのどこかで誰かが
念願叶ってその6個目の仕事に就いているかも
と思えば ま、いいか。
 
楽しい絵なので麻布にスタンプして使いました。
 
 
 
        
 
2015/02/14
 
何年ぶりでしょう。フランスの店舗シリーズ。
  靴屋さんに
  布屋さん(リアル!)
 バッグ屋さん。どのお店もエレガント。
 
2015/05/16
 
 
 
8号帆布(日本製)で作ったトートバッグ。
本柄の部分がポケットになっています。
帆布の色は5~6種類。他の色でも製作予定です。