はじめてのエリート
 
ブックカバーを納品する時に、
本を連想してもらえるよう、印刷物をはさんで包装します。
今使っている印刷物はparisの空港で気合いでゲットしたエアーフランスの機内誌。
(本題からそれますが、何が気合いって、既に限界容量の機内持ち込み手荷物に
最後の最後に全身を使ってねじこむのですから  。 )
ひょっとして、ブックカバーを買われたお客様で細かいところまで見る方が
「あら、買い付けはAIR FRANCEで?」なんて
勘違いしてくださらないかしら。
でも実際のところ、わたしは大韓航空愛用者です。
なんとかの一つ覚えで乗り続けていたら、
とうとう去年、お客様ランクが昇格してしまいました。
会員カードに添付された説明書にざーっと目をとおした時、
預ける荷物の制限重量が20kgから30kgへ、10kgも増えたことが嬉しくて嬉しくて。
ラウンジが使えるとか、他のことはもうどうでもよかった。
(重量制限との戦いについては、ボヤボヤ・ボンボヤージュ1話4話を。)
 
そして今年。昇格後初の大韓航空でのフライト。
エコを意識したのか、はっきり申し上げてぺらぺらの質素なチケットだけれども、
そこに全く目立たない感じで印刷された ELITE の5文字のおかげで
わたし、生まれてはじめてのプチ「優遇」を体験しました。オドオド。
まず、チェックインの際、いつもなら振り分け係みたいな男性が
「あちらへ」「こちらへ」と、ごくごく短い言葉で空いたカウンターを指し示すぐらい。
しかし今年は ELITE に気が付くや「!エリートのカウンターはあちらでございます。」
背後からは「エリートのお客様でーす(よろしくね〜)」の申し送りつき。
言葉は違えども、この応対の変化は、帰国時、
あの決してへつらわない国フランスでも同じだったのにはビックリしました。どぎまぎ。
そして、噂どおり、預かり荷物が出てくるのが早い!
いつもなら「着いてなかったりして...」と不安になるぐらい待つのに。
ところが、ところがです。
やはり「にわかエリート」には弱点がありました。
真性エリートはビジネスクラスに乗っているので、
着陸後、一番に機外へ出してもらえ、
さっさと出て来た荷物をとっとと受け取ることができます。
しかし「にわかエリート」はエコノミーの、下手すると後方に座っているため、
飛行機から降りるのに時間がかかると
早くに出た荷物は主人に拾われることなく、あのゴムののれんをくぐってもう一周!?
税関を抜けた後、もの凄い早足のひとはあやしい。それはわたし。
 
到着した福岡国際空港ロビーは夜の8時半。
去年はここからタクシーで帰りました。が、
今年は、
「ここまで頑張って持ち歩いた荷物!天神まで地下鉄!ラストスパート!」と自分を鼓舞して、
合計40キロ強の荷物とともに地下鉄へ下りるエスカレーターへ....。
 
旅行中ずっとそうしてきたように、
わたしの一段後ろに乗るボロトランク(特に今年は。気になる方は7/03ブログ参照)。
そしてそのトランクの取っ手で
これまたヨボヨボな感じで揺れる、大きく「Elite」と書かれた大韓航空の札.....。
 
脳裏でわたし、思わず言いました。
NON STYLEの白い方の彼といっしょに腿をシバきながら。
「エリ−トやのにチカテツっ!」    
 
 
 
2009年9月6日日曜日